紅葉の季節ではありますが…前回の赤城山の寒さに懲りてついつい暖かそうな場所を探しているすずきじゅんです。
どこかにサイクリングに行きたいときは、Googleマップを拡大したり縮小したりしながら眺めていると、ふと場所(地名とか)が目に飛び込んでくるときがあって、今回の薩埵峠(さったとうげ)もまさにそれでした。

ということで、マップから浮き出るように目に止まった薩埵峠。
調べてみると、標高は低いけど絶景と書いてあったり、歌川広重の『東海道五十三次・由比』に描かれていたりと、中々に良さそうな場所で、まったく未知の場所を訪れるワクワク感を持ちながら走ってきました~

まず沼津の堤防からすぐのところに車を停めてみた。
この沼津からは太平洋自転車道の駿河湾コースが南安倍川橋まで80km弱伸びていて、今回はこの自転車道の半分くらいを走り後は山道うろうろしよう。
海沿いの道はとても気持ちよく走れるが、その気持ちよさも風に大分左右されるということ。
特に自転車では海沿いの吹きさらしの場所では風向きで大変度💦が一変する。

この日は、風はゆるく、日差しもやさしく、海はきらきらしててなんともおだやかでのどか。
そんな中走り出すと、ずーと続く有名な松林が迎えてくれる。
海、松林、富士山、なんて贅沢な自転車道だろうと、まずは田子の浦まで。

工業地帯に浮かぶ富士山というのは僕の住んでいる八王子方面からは見られる光景ではないのである意味新鮮だ。
折角なので誰もいないからちょっと撮ってきた。

ここからのルートは、海沿いから薩埵峠の山道を巡ってまた海岸線に戻り、蒲原からふたたび山の奥に入って富士川に出る予定。
田子の浦からも海岸線沿いを走り、富士川を越え、蒲原を過ぎ由比の辺りから旧東海道へと入っていく。

この付近は、蒲原、由比、興津と東海道五十三次の宿場町が続く道。
所々残る由比宿の雰囲気を楽しみながら走っていると、前方右手にまっすぐ伸びていく壁のような坂がある。
あ~あれが薩埵峠の方なんだろうなと察知させてくれる分かりやすさ。
念のため看板で確認し、間違いないので激坂に突入。
これはまたみかん畑なんだろうな~と思っているとしっかり現れるみかんたち。

ず~っと激坂が続いている訳ではないので、要所要所を頑張りながら、時折左手の海を眺めながら上っていくと、なんかお目当ての所じゃないかな~と思うところに出た。
と、そろそろと進むと『薩埵峠』の標識がある、思ったよりすぐ着いたのでちょっと拍子抜けしたが景色は最高。

あ~広重だ。


標識の隣りにある対の石碑が、またこの風景に良い感じで溶け込んでいる。
(なんの石碑だか分からないけど)
路肩に腰掛け、補給食を食べ、写真を撮り、昔に思いを馳せながらその時を楽しむ。
再スタートしたらすぐ先に駐車場とトイレ、そして遊歩道があった。
家に帰って調べたら、この遊歩道を下りていくと東名高速をバックにした眺めが良い撮影スポットがあるらしいが、遊歩道には行かなかったのでそれは分からず。
でも、さっきの場所でもう十分。
一度この峠を下りきってからまた向かいの山を上って見たら、なにやら小田原近辺と似たようなみかん畑の景色が広がる。

興津、清水港が眺められるこのみかん農道をグルっと回って清水港の方に下りる予定だったが、


路面崩落による通行止めで、来た道を興津の町まで戻ることになった。

下りた興津の町から蒲原までの戻る道はさっきとは違うルートで、道なりに進むと大きい道の側道に出た。
てっきり高速かとおもったら国道1号線で、
この車道を自転車も走るのだろうか?とか
キャノンボールの時ってここ走るの?とか
逆にこんな側道を自転車で走れるんだなとか…考えながら富士山に向かって走ってた。

蒲原からはまた山に入っていくわけだが、ここも最初はみかん農道=激坂になっていて、それを過ぎてしばらく走るとそれまでの風景が一変してものすごくきれいな道に出た。
広域農道なんだろうか。滑るようにきれいな道路、そして桜並木やみかん畑もあるので桜の時期なんかよさそう。

あまりに走りやすい道なのでそのままでも良かったが、しばらく走ってから道をそれて本格的な林道に入っていく。
ハイキングの人も多い山のようで山に入る道案内が数カ所あるが、そのたびに案内板の横に真新しい『クマ出没注意』の看板が立てられていて、看板見た途端に恐る恐るになってしまった。が、無事頂上へ。
頂上では休憩ができるような広場があったがワンちゃん連れた先客ありで、このワンちゃんがめちゃめちゃ吠えるので横目で見ながらここは通過、ちょっと一休みしたいなと思って下ってたら富士山がいきなり目の前にバーンと現れる絶景スポットに思わず声も出るほど。

さらに下っていくと今度は工事中の看板が見えてくる。
ここまで下りてきて戻るのは本当に嫌だなと看板に近づいていったら迂回路ありはホッとした。
そして迂回したお陰で、駿河湾と富士市の町を眺める良き風景とも出逢え富士川まで下りてきた。


富士川沿いに走る道あり、そこを南下してまた海に出るが、車もほとんど来ず、景色よく、気持ちよくすっ飛ばす。

行きに通った緑地公園に着き時間を見ると12時45分。
お腹もすいたので調べてみると田子の浦の漁協食堂が13時30まで空いてそうだから間に合うなと。
向かう方向は強い向かい風、その中を3~4km走って到着。漁船をながめながら生しらす丼をいただき、ここでもほっと一息。
にしてもほぼ吹きさらしのような場所なので、風強く汗も冷えてくるので食べ終わったらすぐに退散。

さぁあと駐車場まで15kmほどか。
相変わらずの強烈な向かい風。
数キロ走ったが、風が強くなったのか?脚が消耗したのか?スピードもどんどん落ちて10数キロしか出せない状態になり、もう無理とついに心折れてすこしでも楽なようにと県道を走ることに変更。
折角車を気にしなくて走れるのにわざわざ車の通る道は走りたくなかったが、それほどまでに辛かったのでしょうがないな。

(写真で見るとなんでもなさそうなんだけど)
県道を走ったお陰で幾分か楽に帰れた気もするが、ほぼカラッからで駐車場に到着。
後半の風には相当まいった。それでも振り返ってみれば思っていた以上にバリエーションが富んでいて、景色も良く、走りごたえものある良いコースだったから、またこちら方面も探索していきたいな。
やはり初めて走るところは本当に楽しい。
ではまた!





























